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【選曲術】DJはプレイ中何を考えているのか

今日は「選曲術」についてのお話です。DJが選曲する際、好きな曲をかけているのはもちろんですが、一般的にはこんなことを考えながら選曲をしています。

 
レコード

 

1. 初級 選曲テクニック(前後の曲)

  • BPMが近い曲同士をつなぐ
  • キーや曲調が似ているまたは相性が良い曲同士をつなぐ
  • 同じ元ネタの曲同士をつなぐ
  • 同じアーテイスト・レーベル曲同士をつなぐ
  • 出身地が近いアーティスト曲同士をつなぐ
  • フレーズ・単語が似ている曲同士をつなぐ
  • リズムが似ている曲同士をつなぐ

では、前後の曲だけではなくプレイ時間全体を通してはどうでしょうか。選曲で一番大切なことは「一貫性とクリエイティビティ」です。「かっこいい曲」を繋げているだけでは、「一貫性を伝えること」は難しいでしょう。何もコンセプトがなく似たような曲をかけているだけでは、「クリエイティビティ」はないと思われてしまいます。お客さんは、DJの世界観を感じたくてあなたがいるフロアに集まってきます。

2. 中級 選曲テクニック(プレイ時間全体)

  • 展開に緩急や意外性をつくりアテンションを集める
  • 全体のストーリー(起承転結)を考える
  • スライドするように音楽ジャンルをまたぐことができる
  • テンポチェンジを効果的に行う

曲の周辺情報を集めないとなかなか難しいテクニックです。曲を聞き分けるためには、たくさんの曲と出逢い、注意深く聞く経験をたくさん積む必要があります。AIの選曲アルゴリズムは非常に優秀です。しかし、「人間」が紡ぎ出すDJという行為は、感性が溢れ出す神秘的な時間です。リズム・メロディ・楽器・曲の展開など、様々な要素がひとつひとつの曲を理解する鍵になります。選曲に深い理由があるほど、あなたの音楽に対する考え方、言い換えれば根底にあるスピリットがフロアに伝わるはずなのです。では、与えられた時間で自分の個性を表現するためにはどうすれば良いでしょうか。

3. 上級 選曲テクニック(その日その場所で)

  • 他人との差別化を図っている
  • 一貫性がある
  • フロアに対して言葉で伝えたいことを選曲で伝えている
  • その時にしかできないことをしている

自分にとっての音楽とはなにか、表現したいことはなにか。たくさんのジャンルを知り、音楽の歴史や系譜を知ることで深い知識と理解を得ることができます。自分独自の発想を磨き、集めた曲の周辺情報を育てていくことが不可欠です。今聞いた曲も、何年後かに何かのアイディアに繋がることがあるからです。

素晴らしいDJの選曲には理由必ずあります。単に「次の曲」をかけるのではなく、曲同士に因果関係を盛り込むことで、選曲の質は劇的に向上します。

前の曲からどの要素を次に引き継がせるかと同時に、どれだけ離れられるかを考を考えると、ドラマティックな展開を創り出すことができます。

リアルタイムでのDJプレイは、その時にしかできないことを織り交ぜると効果的です。その日が、自分が好きな有名なアーティストの「命日」だったとした場合、その人の曲をかけることで、フロアの誰かはあなたがその曲を選んだ理由にきっと気がつくでしょう。

DJ
 

DJ選曲術 沖野修也 - 世界初の選曲ガイドブックは、DJにおける選曲論について展開している非常にユニークな作品です。ミックスの質がレベルアップする考え方や曲の捉え方が散りばめられています。有名アーティストのDJセットにおける曲順とその理由を項目分けで解説していますので是非、気になる方は読んでみてください。

そして、もう一つ、オススメの動画があります。DVD「Via – 田中フミヤ」は、「どういった判断によって選曲を行なっているか」を言語化した世界初企画の貴重な動画です。田中フミヤさんは、テクノ・シーンを最前線で牽引するDJであり、クリエイターでもあります。彼の思考回路にスポットを当てたドキュメンタリーです。DJプレイ中に考えていることををしゃべり出し、レコーディングしています。その映像を断続的に並べることで選曲した理由が見えてきます。

 
 

DJをこれから始めようとされている方も、DJではないけどクラブが好きな方も、DJがブースの中で何を考えているかを少し知るきっかけになるといいなと思います。みなさまのクラブライフのお役に立てると幸いです。 

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