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Technicsのターンテーブル秘話

Technicsの最大の功績とは?

日本は、1960年代から70年代オーディオ・ブームでした。現在クラブのターンテーブルのスタンダートとされているTechnicsの最大の功績と目されるのが、ターンテーブル市場におけるダイレクト・ドライブ方式と言われています。

SL-1200の開発責任者 小幡修一さんが率いる開発チームが、ダイレクト・ドライブ方式のモーターを搭載した世界初のターンテーブルが開発されました。その名もTechnics SP-10が誕生。

Technics SP-10

出典:https://audio-heritage.jp/TECHNICS/etc/sp-10.html

ターンテーブル下部中央にモーターを配置して、モーターの回転力を直接ターンテーブルに伝えることができる。このため必要となるのが、超低速制御モーターであり、この開発によってターンテーブルは新時代を迎えることになったと言われているんです。

小幡修一さん

引用文献:echnics SL-1200の肖像 ターンテーブルが起こした革命 細川克明 (著) 

BBCで採用!プロ用として認められる

その後、イギリスの国政放送BBCがSP-10を放送局の標準機として採用しされ、ダイレクト・ドライブ方式のターンテーブルがプロ用として認められることとなります。Technicsのターンテーブルはその後も続々と後継機をリリース。(SL-1100を1971年に、翌年1972年にはSL-1200をリリース。)

予想していなかった場所で使われた!?

アメリカでディスコが流行り始め、SL-1200が次々とディスコで使われるようになりました。しかし、オーディオマニア用に作られた製品なので過酷な環境で使用されると、ハウリングしたりと、製品に対するクレームが増え始めてしまいました。

ディスコでの使用を前提に開発

ディスコでの使用に際して、現場のDJに改良点を聞いてみると、当時はSL-1200に愛着を示していた人が多く、『SL-1200の操作に慣れているし、使いこなしている。変更せずに改良してほしい』という要望が。 そこで、ディスコでの使用に耐えうるターンテーブルにしようということになり、『MK2シリーズの開発』をスタートさせることになります。

Technics MK2
出典:Wikipedia

HIP-HOPとターンテーブル

ブレイクビーツを作ったと言われるクール・ハークが曲中に現れるインステゥルメンタル・ブレイク(リズムセクションのみ)をみんなが待っていることに気づき、メリーゴーランド(2枚使い)と呼ばれる方法で2つのターンテーブルで同じパートをかけ続けた多ことがきっかけだと言われています。彼が使用していたターンテーブルはSL-1100でした。

その頃、ブロンクスでは、「ヒップホップ」というカルチャーが生まれ、グランドマスター・フラッシュやセオドア・リビングストン、アメリカンバンバータらがストリートからDJとして有名になっていきます。

グランドマスターフラッシュ

ワイルド・スタイルで火がついた?!

映画「ワイルド・スタイル」は、1983年に公開されたヒップホップというムーブメントが生まれる瞬間を鮮明に伝えた金字塔的作品。Nas、Public Enemy、Beastie Boysなどが、自身に影響を受けた映画だと公言しています。 1982年のニューヨーク、サウス・ブロンクスを舞台に、アンダーグラウンドの世界をドキュメンタリー映画にしています。

1983年には、日本でも上映が決定し、アーティストを来日させた精力的なプロモーションにより日本にヒップホプカルチャーが伝来することになります。ちなみに映画で使われていたターンテーブルは、Technics SL1200シリーズだったそうです。

ワイルドスタイル
出典:https://www.uplink.co.jp/wildstyle/

MK6で生産終了

Technics SL-1200 MK6をもってSLシリーズの生産完了がアナウンスされました。Technicsがパナソニックになるタイミングだったことが理由だと言われています。その後、世界中からSL-1200の復活を願う嘆願書が届いたと言われています。

Technicsの伝説は続く

パナソニックは”機能を重視”から”感動体験”へとシフトすることになり、Technicsブランドの復活にむうけて動き出しました。

Technics50周年記念モデル SL-1200GAE が国内限定300台(世界限定1200台)として2016年6月24日に発売が決まり、 同年4月12日より予約受付を開始した途端、なんと約30分で完売。その後レギュラーモデルのSL-1200G も発売されましたが、定価は33万円とDJ向きではない高価なモデルでした。

2017年には SL−1200GR (14万8000円)、2018年 SL-1000R(SP-10シリーズの現代版として生まれ変わらせたモデル)を発売し、2019年 ついにDJユースに定価9万円でMK7を発売しました。

SL-1200は芸術的領域

 四半世紀を超えて同一デザインで生き続けることのできたSL-1200シリーズは、世界でまれな記録的ロングラン製品だそうです。世界中で愛され、クラブで今も使われている理由は、DJ用に改良してくれた開発チームのおかげだということがわかりました。そして、ターンテーブル市場におけるダイレクト・ドライブ方式があったからこそスクラッチが生まれたといっても過言ではないですね。

参考文献:Technics SL-1200の肖像 ターンテーブルが起こした革命 細川克明 (著) 

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